コラム
蒲郡キリスト教会・岡崎南キリスト教会 牧師 新谷聡一郎
「恐れからの解放と伝道」
私が初めて放送伝道というものに触れたのは、小学生の時でした。もう40年以上も前ですが、ある日のこと、私の父が、シールがいっぱい入ったダンボール箱を抱えて家に帰ってきました。そのシールには電波塔がデザインされた物が描かれてあり、下には「近畿福音放送伝道協力会」と書いてありました。
京都で牧師をしていた父は「聡ちゃん、このシールを一つあげよう。こんどテレビで子供向けの伝道番組が放送されるから、明日このシールとチラシを小学校の前で配布するよ」と言いました。シールがもらえることは、当時の子供たちにとっては、とても嬉しいことだったので、下校時間のとき、どの子供も先を争うようにしてシールをもらっていきました。
そして私は学校の友達が喜んでシールを受け取り、子供向け番組を楽しみにして帰っていったことを子供ながら嬉しく思いました。
小学生の頃は、「友達も教会に来て、イエス様を信じてくれたらいいのになぁ」と思っていましたが、中学生になってからは友達を教会に誘うのが恐くなりました。
ある時、友人から「神様なんかいないのに、それを信じている人間はアホだ」と言われたからでした。それ以来、私はクリスチャンであることで、いつかいじめられるのではないかと思い、友人たちに対して恐れを持つようになりました。
そして高校生になったら教会生活を止めようと考え、私は神様から離れようとしていました。しかし神様は私の手をつかんでいてくださいました。中学3年生の秋にイザヤ41章13節「あなたの神、主であるわたしが、あなたの右の手を堅く握り、『恐れるな。わたしがあなたを助ける。』と言っているのだから。」の御言葉が与えられました。この御言葉によって私は恐れから解放され、翌週に一人の友人を教会に誘うことが出来たのです。この体験を原点として、今は放送伝道をはじめ様々な伝道活動に携わらせていただいていますことを本当に感謝しています。