コラム
目からウロコ?鼻から牛乳? 世の光・ジェネレーションX・パーソナリティー 水谷潔
87「おまえは、既に包囲されている」
「犯人に告ぐ。おまえは、既に包囲されている。」これは、テレビドラマや映画などで、人質を取り立てこもる犯人に、警察官が呼びかける時の定番フレーズ。しかし、人質・立てこもり犯のスペシャリストとして活躍した元警察官によれば、これは禁句で、実際にはありえないとのこと。包囲されていることが分かっている犯人に、このように呼びかけるなら、物理的な閉塞感に加えて、心理的な閉塞感を与えてしまい、犯人が自暴自棄になり、人質に危害を及ぼすリスクを高めてしまうのだそうです。
「四面楚歌」「八方ふさがり」など、物理的な閉塞状況が、人を絶望させ、自暴自棄にするとは限りません。むしろ、人を絶望させ、自暴自棄にし、破滅的な行動をとらせるのは、心理的な閉塞感でしょう。
聖書は、「私たちは四方八方から苦しめられますが、窮することはありません」(Ⅱコリ4:8)と約束しています。キリストにあるなら、物理的閉塞状況にあっても、心理的閉塞感はありません。ですから、外側の閉塞的な状況や土の器である自分ではなく、内なる宝であるキリストに目を留めましょう。「窮することはありません」との約束の根拠は、この方にあるのですから。