コラム

田中秀之 日本同盟基督教団、愛知泉キリスト教会牧師

「訪ねてくる人に神の国を宣べ伝える」

 

新約聖書の多くの手紙の著者である使徒パウロは、ローマでは自費で借りた家に住んでいました。彼には監視の兵士が付いていたとあり、不自由な生活をしていたと思われます。そうした中で彼は、「訪ねてくる人たちをみな迎えて・・・主イエス・キリストのことを教えた」(使徒の働き28章30~31節)とあります。パウロのところには訪ねてくる人があり、彼は誰であろうが訪ねてくる人に神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えていました。

ところで、私が愛知泉キリスト教会で奉仕をするようになって3年目になりますが、教会にも時々いろいろな人が訪ねてきます。中にはお金目的の人もいて困ってしまうこともありますが、真剣に人生の問題を考えて訪ねて来られる人もいます。また、電話やメールでの問い合わせもあります。そうした人がすぐに主イエス・キリストの救いを受け入れるわけではありませんが、一人ひとりを大切に福音を伝えていきたいと思っています。

先日、近くの病院に入院している方が「聖書をください」と言って訪ねて来ました。そこで、私はその人に新約聖書をプレゼントしました。すると、何日かして今度は聖書の解説本を貸してほしいと言って来られました。そして数週間後に、解説本を読んでも分からないので直接説明してほしいと言って、また来られました。私は彼に、神の愛と人間の罪、十字架の救いを伝えました。

彼は、今は事情があって日曜日の礼拝に来ることはできないとのことでしたが、よく話を聞いてみると、「いつも早朝に起きてラジオで『世の光』を聞いている。ラジオだけが自分と神さまとを結びつけてくれている」と言っていました。これを聞いて私は、「世の光」は、教会につながりのなかった人が教会を訪ねてこれる、道しるべのようだと思いました。その方が引き続き「世の光」のラジオ放送を通して主イエスの愛に気付くことができるよう、願い祈るものです。そして、聖書に興味を持っている人に、ラジオだからこそ伝わる聖書のことばが、これからも届けられ続くことを願ってやみません。

 

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