コラム
杉山義也牧師 日本同盟基督教団 豊川教会
「ここぞという時に」
「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい」(マルコ16:15)
私は2年前に豊川教会に赴任し、マルコの講解説教を始めました。礼拝にはベテランクリスチャンばかりが来るわけではありません。まだ福音を聞いたことがない初めての人も突然来ます。それでも私は、同じ箇所から、学ばされたこと、感動したことをお話しするわけです。今は12章ですので、イエス様が十字架にかかる直前です。聴衆は、その後イエス様が私たちの身代わりとなって、十字架に架かり、よみがえられることを知って聞いている人と、その衝撃的な事実をよく知らないまま聞いている人がいることになります。そうなると「この後イエス様はどうなるか」をいつも先に言ってしまうのですが、それは『この時、このタイミングでしか会えないこの人に、はやく福音を知ってもらいたいな』という、イエス様の大きな宣教の命令に応えたい思いがあるからです。たとえ説教の原稿になくても、福音を語るわけです。
さて、私は豊川教会の牧会だけでなく、キャンプ伝道の働きをしています。数えてみますと、年間通して小学生、中高生、青年、ファミリー、シニアと多くの世代が訪れます。そしてそこには、その時、そのタイミングでしか話せない相手がいます。しかし、同時に私たちが関わることのできる対象者には限界があり、期間も短いと思わされます。みなさんは、「ここぞ!」という限られた空間、時間の中での福音を語るチャンスを逃していませんか?
実際に私が感謝していることは、まだ豊川に来る前の話ですが、ある新婚夫婦が教会に来ました。奥さんは洗礼を受けたばかり、旦那さんは未信者で奥さんから伝道されているようでした。二人はあまり教会に長居する感じでもなかったので、帰り際とっさにPBAのラジオ番組を紹介し、さっそく次の週「おもしろくて聞きやすい!」という感想をいただきました。その後、私は転任しその夫婦との関りは減りましたが、今ではそのご主人は洗礼を受け、未信者だった親も救われ、子どもも与えられ、幸せなクリスチャンホームを築いています。ラジオが直接的きっかけだったかはわかりませんが、紹介して良かったと、本当に思います。