コラム

井上慎治  日本同盟基督教団 豊橋福音聖書教会 牧師

「ラジオ伝道の届ける希望」

「どうか、希望の神が、信仰によるすべての喜びと平安であなたがたを満たし、聖霊の力によって希望にあふれさせてくださいますように。」(ローマ人への手紙 15 章 13 節)
 私は 2015 年 3 月に千葉県にある東京基督教大学大学院を卒業し、同年 4 月、豊橋福音聖書教会に遣わされました。東海地方に遣わされ、定期的に届く『TBAだより』を通して、ラジオ放送『世の光』の存在を知りました。また 2016 年 2 月には、私たちの教会を会場に「東三河宣教ゼミ」を 開催し、ラジオパーソナリティを務めておられる水谷潔先生をお招きし、共に放送伝道について考える時を持ちました。
 さて、私個人の話になりますが、世代的なこともあり、ラジオという媒体自体にあまり馴染みがありません。ただ、放送伝道と聞いて思い出されることは、母教会である西大寺キリスト教会 (岡山) で行われているラジオ伝道『希望のこえ』です。高校時代、放課後に友人たちと教会に集まってロビーで大声で話していると、牧師室のドアが開き、主任牧師の赤江弘之先生が「今、録音中です」と一言、ということが何度かあったことを懐かしく思い出します。当時、リスナーの顔も見えないラジオ伝道にどれほどの効果があるのだろうか、と思っていましたが、大学時代、帰省した時に赤江先生とお話をさせてもらった中で、『希望のこえ』のリスナーからの便り (手紙だったかメールだったか…) があったと教えていただいたことがあります。その時、直接会えることは無かったとしても、顔を見ることは無かったとしても、悩み、苦しみ、悲しんでおられる方々のもとに、聖書の語る「希望」が電波に乗って届けられているのかと、ラジオ伝道の意義について考えを改めさせられたことをよく覚えています。
 残念ながら、『希望のこえ』は、今年 3 月に 34 年の歴史に幕を閉じるそうです。しかし日本の至るところに、そしてこの東海地方にも、人知れず心の飢え渇きに苦しんでおられる方々がおられることでしょう。そんな彼らに、ラジオ伝道だからこそ届く希望があるはずです。TBA、そして『世の光』には、これからも変わらず、聖書の語る良い知らせを届ける働きを期待しています。

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