コラム

2014年3月 巻頭言  日本同盟基督教団 多治見中央キリスト教会 山本陽一郎牧師

「捜し歩くお方の声」
 「あなたがたのうちに羊を百匹持っている人がいて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野原に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。」
(ルカ15・4)
 それは数年前の冬、冷たい雨の降る日でした。近所の親しいご高齢の方が行方不明になったと聞き、私も捜しに出かけました。日も暮れて一段と寒くなり、早く捜し出さないと大変です。「どうか○○さんを守ってください」と祈りながら、その方が普段歩くコース、店や駅などを捜し歩き、ひょっとして川に落ちていないか、道端で倒れていないかと、ライトをつけてあちこちを見て回りました。
 やがて、無事にその方が帰ったとの連絡が入り、心から安堵し、神様に感謝しました。私はこの小さな経験を通して、いなくなった存在を捜すということの大変さと、捜していた存在が帰ってきた時の喜びがどんなに大きなものであるかを教えられました。
 ルカ15章4節からのたとえ話には、失われた一匹の羊を見つけるまで捜し歩く人が登場します。それは、語っておられるイエス・キリストご自身の姿でした。
 実は私たちもイエス様に捜し出されて救われた一人一人なのです。かつて私自身、自分では生き方が分からず、倒れていたような状態の時に、イエス様に出会いました。羊飼いであるイエス様に捜し出していただいた、私も「いなくなった一匹」の羊だったのです。
 今日もイエス様は一人のたましいの救いのために歩き、呼びかけておられます。
 「世の光」によって毎日届けられるみことばのメッセージは、そんなイエス様の「声」ではないでしょうか。まさに歩き巡るように、主のことばが電波を通して各地に届けられているのです。
 今、私のお仕えする教会はTBA支援教会に加えていただいています。放送伝道は、地域の教会がまだ関わりを持っていない方々にも届いていくことができます。その働きのお手伝いができるのは恵みです。
 今日、どこでどんな方が福音に触れるでしょうか。朝つけたラジオ。運転中に聴いたラジオ。今はインターネットでも。そんな中から、イエス様に出会うたましいが多く起こされていくことを心から願います。

 

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