コラム

目からウロコ?鼻から牛乳? 16「天高く馬肥ゆる秋」は警告の言葉? 水谷潔師

11月とは言え、まだまだ秋ですね。秋によく耳にするのは「天高く馬肥ゆる秋」という故事成語。しかし、その元来の意味は、日本とは全くの正反対なのだとか。古来、中国は北方の遊牧民の侵入に悩まされてきました。収穫の秋になると北方の遊牧民が馬に乗り、中国に侵入し農作物を略奪するのです。ですから、「天高く馬肥ゆる秋」とは元来、秋には肥えた馬で侵入してくる遊牧民族の略奪を警告する言葉だったそうです。

この北方遊牧民の侵入防止策として万里の長城が築かれますが、侵入は防ぎ切れませんでした。外敵から賄賂を受け取り、長城の内側から門を開けてしまう人々がいたからです。

「外側からの侵入と内側の腐敗」。それは罪の誘惑も同様でしょう。聖書は「人はそれぞれ自分の欲に引かれ、おびき寄せられて、誘惑されるのです」(ヤコブ1:14)と教えます。外からの誘惑は避けられませんが、応答するかどうかは内側の欲の問題です。「天高く馬肥ゆる秋」は外敵に霊的実りを奪われないための警告にも使えそうですね。

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