コラム

中島真実 基督兄弟団一宮教会 牧師

東海奥地宣教レポート

 

日本3名湯の一つ・下呂温泉、杉原千畝の故郷・八百津、時代劇のロケ地・中山道馬籠。この3点を頂点とする三角形の重心付近に岐阜県加茂郡東白川村があります。

まさしく村、人口2500人程。檜とお茶が伝統産業ですが、過疎化に歯止めをと幻の生物・ツチノコで村おこしという昨今。最近では、メーテレ系のドラマ、田舎暮らしを志す若者の物語・『岐阜にイジュー!』で、地味にローカルな話題となった村です。

こうした山間の村にも、キリストの十字架を掲げる教会があります。基督兄弟団東白川教会。教会開設は1967年ですが、それ以前から故郷伝道を志すキリスト者によって福音の種がまかれ、現在に至るまで忠実に礼拝式が行われています。

ただでさえ、山村でキリスト者として生きるのに多くの闘いがありますが、それに加え、この村には信仰の闘いを強いられる特殊な事情があります。

1868年、神道国教化を掲げる明治政府の神仏分離令に則って廃仏毀釈を徹底的に行った名残で、未だに仏教の寺院がありません。僧侶がいないので、神主の「一党独裁」になります。村での生活のあらゆる行事(冠婚葬祭、農業・林業・建築に関する諸行事)は神主の権限のもとに置かれます。そんな村でイエスを主と告白して生活するのは、容易ではありません。

しかし、それでも東白川教会の兄姉は、誠実にキリストへの信仰を告白し、礼拝を捧げて歩んでいます。わずか数名の礼拝式。「魅力的な」プログラムがあるわけでなく、むしろ、音声データで説教を聴くという集会。しかも、機材はアナログなカセットテープ。

それでも尚、みことばを慕い求めて集い、しかも、そこに村人たちを誘う伝道。時には求道者が会衆の半数を占めることも。トラクト配布も毎月行なわれています。自分の信仰さえ守られればそれでよい、だなんて考えてもいません。

筆者は、この教会の牧会・伝道に関わりつつ、大いに考えさせられ、また、励まされています。

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