コラム

齋藤 愛希信 日本長老教会 知多シオン・キリスト教会 牧師

「すべてのことがともに働いて益となる」

「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。」ローマ人への手紙8:28
 知多半島の付け根、阿久比町にある知多シオン・キリスト教会で主を礼拝しています。私たちの教会にとって、今年は創立20周年を迎える節目の年です。成人式を迎えるような気持ちを抱きつつ、目下20周年記念文集の作成に取り組んでいます。
 神様に救われた一人一人の歴史をひも解くと、いつも神様の不思議な導きを確認させられます。本人さえも「自分のような人が救われて、クリスチャンになるなんて思わなかった」と言われるのを聞くことがあります。
 伝道の働きに携わっていますと、時に「自分に何ができるのだろうか」「いったい何をすればいいのだろうか」と徒労感を覚えることがあります。しかし、救われた人の証やクリスチャンの歩みの証を読んでおりますと「すべての働きは無駄ではない」と慰められます。自分の播いた「福音の種」は、その実りを自分では直接見られなくても、どこかで芽吹いているということがあるからです。「小さいころ、地元の教会学校に行ったことがあります」という声を、救われたクリスチャンから本当によく聞きます。そんな時、私の知らない先輩クリスチャンが何十年も前に播いた種の収穫を今私が見ているんだなぁと感慨に打たれます。
 私たちには、誰が救われるよう神様に選ばれた人なのかわかりません。神様のタイミングがいつで、何が一番適切な伝道の方法なのか、わかりません。しかし、「神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となる」という御言葉が迫ってきます。私たちが一所懸命に頭を悩ませ、心を遣って福音を伝える時、神様の方も着実に計画を進めてくださっています。人の目に映る失敗も成功も、すべては主の御手のうち。すべてのことが共に働いて益となります。神様の愛と慰めに満ちた導きがすべての神の民のうえに注がれますように。

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