コラム

山本陽一郎 日本同盟基督教団・多治見中央キリスト教会

「初めの日の祈りを、今」

 この四月から、ラジオでバイブル・メッセージをさせていただくことになりました。10分番組「さわやか世の光」で、毎週金曜日にお話しします。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は高校時代、不登校を経験しました。自分の価値が見出せず、生きていく意味も目的も分からぬまま過ごしていました。そんな時、教会で、聖書のこのことばに出会いました。

「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」(イザヤ43章4節)

 良いことばや、一時的に心を楽しませてくれるものは多くあります。しかし、それでは潤せない渇きを覚えていた私にとって、神様からのこのことばは、魂のど真ん中にドスンとくるような衝撃でした。神様ご自身に愛されて生きる感動、生きる意味が全身に広がりました。

 生まれて初めて「牧師になりたい」という思いが与えられたのは、それから少し後のことです。生きることに悩み苦しんでいる人に福音を聞いてほしい。自分も受け取った福音を一人でも多くの人に届けたい−−−−。

 それから20年以上の時間が過ぎました。岐阜の地で牧師を続けているところに、不思議とラジオメッセージのお声をかけていただきました。

 どうして私に? 自分のような者にあの「世の光」の働きが務まるのだろうか? そんな思いの中にいた時、あの初めの日の記憶がよみがえってきたのです。 

 「一人でも多くの人に福音を届けたい」

 神様はあの日の祈りを、何年も何年もかけて、思いもかけなかった方法で、このように実らせてくださったのかも知れない、と思わされました。

 放送伝道は、教会にまだ来られていない方、直接お会いできない方にもメッセージを伝えることができます。スタジオでマイクに向かって収録しますが、その向こうには、福音を聴く方々の姿を思い浮かべています。私は本当に小さな者で、恐れもありますが、神のことばの力に信頼して精一杯取り組んでいきたいと願っています。

 クリスチャンの皆様も、ぜひ番組をお聴きください。教会に行っておられないご家族がいらっしゃる方にも、聖書に触れていただくきっかけとして用いていただけたら感謝です。

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