コラム
2013年8月巻頭言 大府キリスト教会 田村博人師
「だがおまえの弟は、死んでいたのが生き返って来たのだ。いなくなっていたのが見つかったのだから、楽しんで喜ぶのは当然ではないか。」 ルカの福音書15章32節
昨年初めに一人のクリスチャンの方が入院されました。聖書の話しを私に伝えてくださった方です。40年以上前にクリスチャンとなられたのですが、諸事情があって30年ほど前から教会へ行かなくなっておられました。私が病院を訪れるたびに様々なことを話し合い、クリスチャンの信仰については、遠慮無く語り合いました。「どんな状態であれ、イエス・キリストはあなたを愛しておられます」と、伝え続けました。
入院して約1ヶ月が過ぎた頃、「自分はキリストを信じていたけれど、真の意味でキリストの愛が分かっていなかったのだと思う。自分のような人間が、キリストに愛され続けてきたことを心から感謝している」と、告白してくださいました。教会から離れているときも、ラジオやインターネットで聖書のメッセージを聴き続けておられました。退院後は、母教会の礼拝にご夫婦で出席されています。退院後にお会いしたとき、「聖書を読み、聖書に聴くことがこんなに楽しいことだとは知らなかった」と、話してくださいました。圧倒されてしまいます。「今までテレビや映画、音楽など、趣味や娯楽のために時間を使ってきた。それはそれで楽しかったけれど、聖書を味わうこと以上の楽しみはない」と言われるようになりました。主の愛と憐れみの深さを覚えさせられます。
実はこの方と相前後して、私たちの教会にも一人の方が帰って来てくださいました。高校生のときにクリスチャンとなられ、高校卒業と同時に教会に集われなくなり、20年以上経っていました。東北の震災があってから、自分のいのちのことを考えるようになり、礼拝に出席してくださいました。
このようなことが、あちらこちらで起こっているのではないでしょうか。様々なことがあって、教会に集えなくなられた方々。聖書を読んでもなかなか続かないと言われる方々。キリストを信じておられない方々。すべての人がそれぞれの場で、等しくキリストに愛されています。あなたの行いや状態にまったく関係なく、キリストの愛は注がれているのです。あなたがキリストを求めていなくても、キリストはあなたを慕い求めておられます。きょうもあなたの内にいて、あなたのそばにいて、あなたを慰め、励まし、支え続けていてくださるのです。これほどまでに私たちを愛していてくださるのが、イエス・キリストなのです。なんと感謝なことでしょうか。きょうもラジオを通して、多くの方々に、愛と祝福のメッセージが語られていることを心から嬉しく思います。